近年、アナログ固定電話の利用は大きく減り、スマホやIP電話の利用者数が大幅に増加しています。ビジネスシーンでも、アナログ固定電話からIP電話への移行を検討する企業が増えてきました。
しかしIP電話について正しい知識がなく「市外局番は使えないのではないか」「既存番号を引継げないと困る」といった疑問が生じて、なかなかIP電話へと移行ができないという企業が多いのも事実です。
今回はIP電話で使える電話番号、市外局番付き電話番号の取得方法、IP電話のメリットとおすすめのIP電話サービスをご紹介します。
IP電話とは
IP電話はインターネットプロトコル(Internet Protocol)技術を利用した電話サービスのことです。平たく言うと、従来のアナログ回線とは異なり、インターネット回線を使用して電話できるサービスとなります。
従来型の固定電話はアナログ回線を使用し、基地局を経由して相手方に声を届けていました。遠距離になればなるほど経由する基地局が増えるため、遠距離の通話料は高くなるというデメリットがあります。
一方、IP電話は音声をデジタルデータ化してインターネット回線を通じて相手方に届け、そこでアナログ音声に変換して声を届けます。基地局を経由することがないため、遠方であっても通話料金が一律であることが特徴でありメリットです。
IP電話の多くはプロバイダによって提供されていますが、近年はIP電話アプリなどもあり、さまざまな会社からサービスが提供されています。使える電話番号や利用できる機能などもサービスにより異なるため、企業で利用する際には自社で必要な機能があるかを吟味した上で選ぶことが大切です。
IP電話で利用できる電話番号とは
IP電話で利用できる電話番号には「0ABJ番号」と「050」番号があります。それぞれどのような特徴を持つ番号なのか解説していきます。
0ABJ番号
「0ABJ番号(ゼロエービージェイ)」は「東京03」や「大阪06」のように、最初に市外局番が付く全10桁の電話番号です。NTTで取得できる固定電話番号も同じ形式であり、誰もが馴染みある番号形式となっています。
名前は10桁の並びに由来します。「0A – BCDE – FGHJ」のように2桁–4桁–4桁で表すことができ、これを略して「0ABJ番号」と呼ばれるのです。
また、このハイフンの区切りごとにそれぞれ次のような情報が込められています。
「(市外局番)–(市内局番)–(加入者番号)」 |
市外局番は地域を表し、市内局番はさらに絞ったエリア、最後に加入者固有の番号がきます。
「0ABJ番号」をIP電話で利用する場合は総務省で定められている「接続品質」「総合品質」「安定品質」「ネットワーク品質」の通話品質基準を満たすことが必要です。逆に言えば、「0ABJ番号」を利用できるIP電話は品質の高いサービスであると言えます。そういった意味では企業利用をするならおすすめの番号形式です。
050番号
「050番号」は「050」から始まる11桁の番号形式で、ハイフンの区切りごとに次のような情報が込められています。
「050(IP回線) – 事業者の識別番号 – 加入者番号」 |
この通り、2つ目の番号を見ればどこの事業者が提供するサービスなのかを知ることが可能です。
この「050番号」は「0ABJ番号」と異なり、市外局番や市内局番といった地域を示す情報が一切含まれていません。そのため、人によっては「どこからかかってきた番号なのだろう」と不審がる場合もあり、「050番号」は「0ABJ番号」と比べて社会的信用度は低めであるといえます。
0ABJ番号と050番号の違い
「0ABJ番号」と「050番号」の違いは「乗り換えやすさ」と「通話品質」の2点です。
乗り換えやすさは「0ABJ番号」に軍配が上がります。というのも、「050番号」はIP電話サービスを乗り換えるごとに番号が変わってしまうためです。そのたびに会社HPや名刺の記載を変更し、取引先にも伝えなければならずかなりの手間がかかります。
「0ABJ番号」であれば、条件さえ適用されれば番号ポータビリティにより引継ぎすることができます。そのため、乗り換え時のさまざまな手間がかかりません。
通話品質も「0ABJ番号」の方が良いです。通話品質はABCの3段階にクラス分けされていますが「0ABJ番号」は固定電話と同等のクラスAの品質となります。一方で「050番号」は携帯電話よりも品質の低いクラスCでも取得することができます。
もちろんすべての「050番号」が低品質というわけではありませんが、安価なIP電話サービスは音質に要注意であるということを覚えておきましょう。
ビジネス利用の場合は市外局番が使えるIP電話サービスがおすすめ
企業でIP電話を導入するのであれば、市外局番付きの電話番号を利用できるサービスを選択するのがおすすめです。市外局番付きの方が「050番号」と比べて社会的に信頼度が高いためです。
「050番号」は品質が低くても事業者としてサービスを提供することができます。実際に、安価で取得しやすいIP電話サービスが数多くあります。ただ一方で「050番号」は迷惑電話や営業電話などで使用されることも少なくありません。悪徳な業者になると複数の「050番号」を取得して何度も繰り返してかけてくることもあります。
また、地域情報がないためどこからかけてきたのかわかりにくいですし、比較的新しく馴染みのない番号であるため高齢者には信用されにくい傾向にあります。
そういった背景があることから「050番号」は信頼度が低く、どこからかけてきたかわかりやすくて馴染みのある市外局番付き番号の方が信頼されやすいのです。ビジネスで利用するならば、市外局番付きをぜひ選びましょう。
市外局番付きの固定電話番号を取得する方法について詳しくはこちら
IP電話の知っておくべきメリット
IP電話にはアナログ固定電話にはないさまざまなメリットがあります。具体的にどのようなメリットが存在するのか、ここでは4つご紹介します。
初期費用を抑えられる
IP電話は固定電話と比べて導入コストが安く抑えられる点がメリットです。
NTTの加入電話は施設設置負担金に39,600円かかります。さらにアナログ回線専用の固定電話機も購入しなければなりません。電話機が1万円だとするならば、導入だけで5万円近くかかる計算になります。
IP電話であれば固定電話のような導入費用は必要なく、スマホやパソコンを端末として利用できるため電話機購入費用もかかりません。そのため初期費用を安く抑えることができるのです。企業で利用するならば、コスト削減を実現できるためIP電話はメリットがあります。
スマホやPCで固定電話番号が使える
IP電話はアプリを導入することでスマホやパソコンで固定電話番号を使うことができます。
アナログ固定電話の場合、オフィスにいないと会社宛の電話には出ることができません。転送電話サービスを利用することもできますが、月額料金がかかり通話料もかかるためおすすめできません。
IP電話であれば、スマホで利用できるため固定電話番号を使って外出先でも発着信できます。顧客からの電話にすぐ出ることができますし、折り返しの際も会社の番号が相手方に表示されるため、スマホの電話番号で発信した場合に比べると電話を受けてくれる可能性が高まります。
すでに社員にスマホを支給しているのであれば、そのスマホにアプリをインストールするだけで使い始められるので、端末購入のコストや手間も省けるのは大きなメリットです。
人員の増減に対応しやすい
IP電話はスタッフの増減にも対応できるのが強みです。
たとえばビジネスフォンの場合、利用するスタッフが増える場合に端末を購入しなければならず、場合によっては主装置の入れ替えや工事も必要です。
しかし、IP電話ならばスタッフが増えても、契約台数を増やした上で個人用のスマホにアプリをインストールしてもらえばすぐに利用できます。また、スタッフが辞める場合も、アプリのアンインストールと契約解除を行えばすぐに回線を廃止可能です。余計なコストを発生させることがありませんので、企業にとっては資金をコントロールしやすくなるでしょう。
既存の電話番号が使えるサービスも
IP電話サービスによっては既存の電話番号をそのまま利用できます。
アナログ固定電話からIP電話サービスに乗り換えたいという企業が増えています。しかし「既存番号の引継ぎ」について悩んでしまい、躊躇しているケースが少なくありません。
たとえば「03plus」など一部のIP電話アプリでは番号ポータビリティに対応しています。引継ぎの流れは事業者によって異なりますが、条件さえ合えば既存の電話番号をそのままIP電話でも利用できるようになります。
既存番号を利用できれば、会社HPや名刺の記載変更や顧客へのお知らせをする必要がなくなります。便利なIP電話へのスムーズな移行を行うため、ぜひ「03plus」などの番号ポータビリティ対応のIP電話サービスをご検討ください。
IP電話にはデメリットもある?
IP電話はアナログ固定電話と比べて数多くのメリットがあります。しかし、IP電話をビジネス利用する場合は注意しておかなければならない点もいくつかあるのも事実です。ここではIP電話のデメリットについて解説します。
一部の電話番号に発信できない
IP電話は「0120」のような着信側が通話料を支払う電話番号や、救急などの緊急電話番号に発信することができません。そのため万が一という場合にすぐに対応しにくいのがデメリットとなります。
ただ、緊急電話については最寄りの警察署や消防署の電話番号を登録しておけば解決できます。多少の不便さを感じるかもしれませんが、事前に対処しておけばいざという時もそこまで大きなデメリットにはなりません。
インターネット環境次第で通話品質が低下することも
IP電話はインターネット回線を利用した電話サービスであるため、ネット環境によっては通話品質が低下する可能性があります。
IP電話をビジネスで利用する際に最も意識したいのは通話品質です。電話は顧客との大切な打ち合わせなどで利用します。その際に雑音が発生したり音が途切れたりしてしまうと、情報共有がうまくできず顧客に悪い印象を与える可能性があります。
企業にてIP電話を導入する場合はそうしたリスクがないように、社内のインターネット環境を改めて見直しましょう。また、外出先で利用する場合は通信環境を確認することをスタッフに徹底させることが大切です。
市外局番付きの電話番号取得ができるIP電話サービス
起業でIP電話を導入するならば、市外局番付きの電話番号を利用できるサービスを選ぶべきです。ここでは、「東京03」「大阪06」などの市外局番付き電話番号を取得できる03plusについて解説します。
おすすめIP電話サービス「03plus」
「03plus」は固定電話番号をスマホで持ち歩くことができ、料金もリーズナブルなIP電話アプリです。
番号ポータビリティに対応していますので、既存の固定電話番号を利用したい場合も安心です。また、取得できるのは「東京03」や「大阪06」といった全国主要46局の市外局番で、社会的信用も得やすいといった特徴を持っています。
通話料金を抑えられるオプションがあるのも03plusの強みです。「10分かけ放題」は1回の通話が10分以内であれば何度でも無料でかけられるサービスとなっています。月額1,000円で利用できるため、短時間の通話頻度が高い場合は通話コストを大きく下げられるチャンスです。
他にも、クラウド上で顧客や関連企業の連絡先を一元管理できるWeb電話帳や、サーバー上でFAXデータの送受信や閲覧を行えるクラウドFAXも人気の機能となっています。特にクラウドFAXは大阪市で導入され、ペーパーレス化やコスト削減、さらに業務効率アップという実績を出しています。
お申込みは1IDから可能で初期費用5,000円、月額1,280円からです。
これから起業・開店する方、まずはスモールスタートしたい中小企業などに03plusはおすすめです。ぜひ導入をご検討ください。
まとめ
今回はIP電話で使える電話番号や市外局番の取得について解説しました。
IP電話はアナログ回線と比べてさまざまなメリットがあるものの、取得する電話番号によっては社会的信用が得られにくい傾向にあります。しかし市外局番を取得すれば馴染みのある番号になりますので、顧客が違和感を得ることはなくなることでしょう。
また、企業によっては既存のアナログ固定電話を引継いでIP電話に移行したいというニーズもあります。そうした場合はたとえば03plusならば番号ポータビリティに対応していますのでぜひご相談ください。
固定電話より導入費用がリーズナブルで通話料金もお得、さらにビジネスを有利に進める機能を利用できるのがIP電話の良さです。ぜひこの機会に導入をご検討ください。