IP電話サービスは回線工事不要?初期コストを抑えられる?

初期コストを抑えて固定電話番号を取得したい事業者の方必見!

IP電話サービスなら回線工事不要?初期コストを抑えられる?

 

個人事業主や独立開業したての法人は開業にあたって固定電話番号の取得を検討されると思います。

メールや携帯電話が主流の時代において固定電話番号の重要度や利用頻度は年々減少傾向にありますが、それでもまだ固定電話番号は対外的な信頼度が高く、ビジネスシーンにおいてその価値は失われていません。また、銀行の口座開設やクレジット会社の審査など金融機関によっては固定電話番号が必須というケースも耳にします。

こうした事情により開業したばかりの法人でもその多くは固定電話番号を取得しています。

しかし独立開業したての法人にとって気になるのはコストです。固定電話番号を取得するにもやはり、回線工事や初期費用は?ランニングコストは?通話料は?とコストが気になると思います。

ひと昔前までは固定電話番号を取得するためには回線工事が必要でさらに加入権(施設設置負担金)の購入が必要でした。契約する回線種別や事務所物件の回線状況や屋内工事の規模によって料金には差がありますが、大よそ4万円から場合によっては十数万円と高額な導入コストがかかっていました。

そこで、インターネット回線を利用するIP電話なら電話回線工事不要で固定電話の導入コストを抑えられるのでは?と考えている方もいらっしゃると思います。

インターネット回線を利用するIP電話には、NTTの「ひかり電話(光IP電話)」など通信キャリアの光回線オプションで利用できるIP電話や、ISP(インターネットサービスプロバイダ)が提供しているIP電話、またスマホで固定電話番号が使えるIP電話アプリなど、様々な種類があります。

ISP提供のIP電話は基本的に「050」から始まるIP電話用番号しか取得できないため、ここではNTTフレッツ光のオプションである「光IP電話」と「スマホで固定電話が使えるIP電話サービス」を例に、工事の有無や初期コストについてみていきましょう。

 

固定電話番号を取得する主な方法についてはこちらの記事でも解説しています

固定電話番号を取得する方法とは?月額1,280円&最短10分開通

1.NTTの「光IP電話」の初期費用

まずはNTTのフレッツ光のオプションサービスである「ひかり電話(光IP電話)」ですが、フレッツ光のインターネット回線を既に敷設している場合としていない場合でコストが大きく異なります。

(1)既にフレッツ光回線を敷設している場合

  • 基本工事費:3,000円~
  • 基本料金:500円/月(住宅用)、1,500円/月(オフィスA)

既にフレッツ光のインターネット回線を契約済みであれば月額500円でオプションの光IP電話の契約ができます。

電話回線の回線工事費用は発生しませんが、「ひかり電話交換機等工事費」というNTT側の工事費用として3,000円の初期費用が発生します。

光IP電話の基本料も500円からと、比較的安価に固定電話番号が取得でき、光回線の基本料と併せても大よそ5,000円からIP電話の利用が可能になります。

 

(2)フレッツ光回線を敷設していない場合

  • フレッツ光(ネット回線)契約料:800円
  • フレッツ光(ネット回線)工事費:15,000円(集合住宅)/18,000円(戸建て)
  • ひかり電話交換機等工事費:3,000円
  • 基本料金:500円/月(住宅用)、1,500円/月(オフィスA)

フレッツ光のインターネット回線を契約していない場合は光IP電話の初期費用の他に光回線工事が必要なため、光IP電話の初期費用以外に15,000円から18,000円の光回線の工事費用が発生するため注意が必要です。

また、集合住宅で建物自体に光回線が引き込みされていない場合は、引き込み工事が必要となりさらに工事費用が高額になるケースがあるので注意が必要です。

 

光IP電話でもどのみちインターネット回線の工事費は必要となる

このように光IP電話でも、電話回線自体の工事はありませんがフレッツ光回線の工事が前提となるため、光回線が開通済みかどうかで初期費用は大きく変わります。

フレッツ光回線を契約している場合であれば数千円と比較的安価にIP電話の固定電話番号を取得できますが、光回線を敷設していないと光回線側の工事費用が高くついてしまいます。

仕事でインターネットもよく使う、高速で安定したネット回線が必要という場合であれば光回線工事費用は決して高いコストではありません。

しかし個人事業主や独立開業したての法人の場合、下記のような事情により光回線の契約を考えていないというケースもあると思います。

  • 移動や外出が多く事務所にあまりいない
  • インターネットはほとんど利用しない
  • カフェやシェアオフィス、コワーキングスペースを主な仕事場にしている

このように「光回線を契約するメリットが無い方」や「そもそもインターネット環境は整っている」というケースの場合、わざわざ光回線を契約してまで光IP電話を利用するメリットが無いという場合もあります。

それらの方でも回線工事不要で初期コストを抑えて固定電話番号を取得する方法があります。それが次に紹介する「スマホで固定電話番号が使えるIP電話サービス」です。

 

2.固定電話番号が取得できるIP電話サービス

新しい固定電話サービスの在り方である「スマホで固定電話番号がつかえるIP電話サービス」はその名の通り、スマホで固定電話番号の発着信ができるIP電話サービスです。

これらIP電話サービスとNTTの光IP電話の一番大きな違いは、電話回線やインターネット回線などの回線工事が不要ということです。そのため初期費用を大幅に抑えることが可能です。また、スマホの4G回線やWi-FiなどでIP電話が利用でき、光回線の契約が不要なため月々のランニングコストも抑えられます。

以下のような代表的なサービスがあります。

 

(1)03plus https://03plus.net/ip/

  • 初期費用:3,800円~ ※年払いプランの場合
  • 基本料金:1,280円/1番号・1回線

全国主要都市の市外局番を取得でき、スマホで固定電話番号の発着信ができるIP電話サービスです。

固定電話番号の取得のほか、固定電話番号ポータビリティ(ナンバーポータビリティ)にも対応しています。

基本料1,280円を12カ月分纏めて支払う「年払いプラン」で契約すれば初期費用3,800円で電話番号が取得でき、しかもスマホで市外局番の電話ができるとあって、外出が多い個人事業主や中小企業に最適です。

また、スマホの4G回線やWi-Fi環境などインターネット環境下であれば電話ができるため、電話回線の工事も光回線の工事も一切不要です。電話機など機器を用意する必要ももありません。

留守電・時間外応答・転送電話といったオプション機能の他、回線や番号を追加できたりクラウドFAXも利用できたりと豊富なオプションメニューが取り揃えられているのも魅力で、必要なものを付加して自分に合った運用をすることが可能です。

 

(2)GoodLineSOHO https://goodline-soho.jp/

  • 初期費用:20,000円~
  • 基本料金:3,000円/月/1番号・2内線

市外局番の他に「0120」や「0800」のフリーダイヤル番号も取得でき、スマホで使えるIP電話サービスです。

初期費用や基本料は「03plus」より高いですが、フリーダイヤル番号が取得できたり、通話録音機能や時間外アナウンスなどの機能がが標準で使えるのが特徴です。

こちらのIP電話サービスも回線の契約や機器の購入は不要で、スマホで4GやWi-Fi環境さえあれば利用できます。

 

【まとめ】

新しい固定電話サービスの在り方である「スマホで固定電話番号がつかえるIP電話サービス」は回線工事不要でお得に電話番号を取得することができます。

自分のスマホにアプリをインストールするだけなので電話機などの機器の購入・設置も不要となり、導入コストを抑えることができます。

回線工事不要で固定電話番号が取得でき、いつでもどこでもスマホ固定電話番号で発着信ができるため、従来の固定電話と比べて導入のハードルが下がるうえに運用方法にも広がりがあります。

個人事業主や中小企業の方で外出が多く固定電話を転送させていた方や、シェアオフィスやコワーキングスペースで仕事をしているという方はこれらのスマホで使えるIP電話を検討してみてはいかがでしょうか。