データ通信専用の格安SIMで電話番号が欲しい、携帯の通話料を下げたい、
事業用にもう一つ電話番号が欲しい、という方必見!
IP電話アプリでお得に電話番号を取得する方法
年々利用者数が増えている格安SIM。
「MMD研究所」が15歳~69歳の男女44,541人を対象に実施した「格安SIMサービスの利用動向調査」(https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1700.html)によれば、2018年3月時点での格安SIMの利用者数は全体の13.9%になります。
実際に格安SIMを利用している人はまだまだ少数派ですが、それでも認知率は89.8%にもなり、もはやほとんどの人が格安SIMについて何かしらは知っているということになります。よって、今後格安SIMの利用者数がさらに増加していくことが予想されます。
「大手キャリアよりも月々の利用料が大幅に安くなる」、「大手キャリアのメールが使えなくなるぐらいでデメリットが無い」などメリットしかないように思われる格安SIMですが、通話料に関しては大手キャリアの通話料とほぼ変わりません。よって、通話頻度が高い人だとかえって通話料が高くなってしまうことがあります。
また、最近は「電話はLINEで済ます」というケースが非常に増えていることもあり、格安SIM利用者の中にはデータ通信専用のプランを契約し、携帯番号は持っていないという人も多いのではないでしょうか。
電話を一切使わなくても音声通話付きのSIMは毎月700円はかかります。携帯番号を取得していない人でもいざというときのために「電話番号を一つ持っておきたい」と考えた場合、あまり使わないのに毎月700円もかかるとなるともったいないですよね。
そんな時に「IP電話アプリ」を利用することで電話番号を手軽に取得でき(中には無料で番号を取得できるサービスも!)、通話料も抑えることが可能になります。
IP電話アプリとはどのようなものなのでしょうか。どうやったらお得に電話番号を取得することができるのでしょうか。メリットやデメリットなども併せて紹介していきたいと思います。
1.IP電話アプリとは
スマホで090や080などの番号で電話をする際は「電話回線」を利用して音声データの通信をおこなっています。一方、Webを閲覧したり動画を見たりする際は「インターネット回線」を利用してデータ通信をおこなっています。
音声でのやりとりを「電話回線」ではなく「インターネット回線」で行うのが「IP電話」サービスで、それをスマホアプリで利用できる「IP電話アプリ」が世の中には数多く存在します。
IP電話はインターネット回線を利用することもあり、「電話回線」を利用する携帯電話に比べて設備コストが比較的安く済みます。その分、IP電話サービスの事業者も安い料金でサービスを提供できます。よって、IP電話アプリを利用すれば電話番号を安く取得でき、通話料なども安く済ませることが可能になるわけです。
しかし、IP電話アプリでは「090」や「080」から始まる番号は取得できません。取得できる番号はほとんどが050-〇〇〇〇-△△△△というような「050」から始まる電話番号となります。
※一部「03」や「06」など市外局番から始まる「固定電話番号」が取得できるIP電話アプリもありますが、「050」のIP電話アプリとはサービス特性が異なるため、詳細は割愛します。しかし、固定電話番号を安く手軽に取得できるとあり、個人事業主や小規模法人などにお勧めのサービスですので、興味がある方は以下のページを参考にしてみてください。
スマホで発着信ができる「最新型」の固定電話番号取得サービスの比較
ビジネス利用におすすめな、手軽に固定電話番号を取得する方法についてはこちらの記事でもご紹介しています。
2.IP電話アプリのメリット、デメリット
【メリット】
(1) データ通信専用の格安SIMでも通話ができるようになる
「IP電話アプリ」をインストールして専用の電話番号を取得しさえすれば、あとはインターネット環境がある場所ならどこでも電話が使用できます。そのため、格安SIMの音声通話なしの「データ通信」プランでもIP電話アプリを利用すれば固定電話番号や携帯電話番号宛に電話をかけることができます。
(2) 通話料が下がる
携帯電話の大手キャリア(Docomo、au、Softbank)の通話料は大よそ20円/30秒です。「キャリアよりも安い!」という印象が強い格安SIMですが、通話料に関しては大手キャリアの回線網や設備を「間借り」していることもあり、通話料は大手キャリアと変わりません(大よそ20円/30秒)。
しかしIP電話を利用すれば、電話回線を使用しないため通話料が下がります。IP電話の通話料は提供事業者によって異なりますが、これについては後述します。
(3) 電話番号をもう一つ持てる
IP電話ではほとんどの場合で「050」からはじまる電話番号が取得でき、それをスマホで使うことができます。
個人事業主の方や店舗を運営している方、またオンラインショッピングなどを運営している方などで「ビジネス用の番号を取得したいけど回線契約や電話機購入・工事などのコストはかけたくない」という方に最適で、プライベートの携帯番号と分けて運用することができます。
東京「03」や大阪「06」などの市外局番の電話番号とも、「090」や「080」などの携帯電話番号とも異なりますが、「050」も立派な電話番号で、固定電話宛でも携帯番号宛でも発信でき着信もできます。
上記のようなメリットがある一方で、インターネット回線を利用しているがゆえのデメリットもあります。
【デメリット】
(1) 固定電話や携帯番号での通話に比べて通話品質が劣る場合がある
IP電話サービスが世の中に普及し始めた頃は、IP電話は音声品質が悪いという印象が強かったですが、今は通信技術や回線環境の向上もあり、固定電話や携帯電話と比べても遜色のない音質になっています。
しかし、固定電話や携帯電話が専用の回線を利用しているのとは異なり、IP電話はインターネット回線を利用しているため、どうしてもインターネット回線の状態によっては途切れが起きたり、最悪の場合は通話が切断されるなど通話品質が劣る場合があります。また、音声をデータに変換してから通信をしているため、どうしても若干の遅延が生じてしまいます。
ただ、品質にしても遅延にしても、通話が全く成立しないということはなく、人によっては全く気にならないレベルです。よほど確実で安定した通話品質を求めるなら固定電話を利用するべきですが、ほとんどの方にとって、IP電話の通話品質でも全く問題ないといって差し支えがありません。
(2) 発信できない番号がある
IP電話アプリからは「110」や「119」などの緊急通報用番号に発信できません。また「177」や「117」など3桁番号へも発信できまないサービスが多いです。
時報や天気予想に発信できないのはまだしも、緊急通話ができないというのは注意が必要です。その場合は、固定電話や携帯電話から電話をかける必要がありますが、格安SIMのデータ専用プランを契約していて携帯番号を取得していない方、さらに周りに固定電話でかけられる手段も無いという方は特に注意が必要です。
また、3桁番号以外にも「0120」のフリーダイヤルや「0570」のナビダイヤルなど、かけられない電話番号がありますので各サービスのWebサイトなどで事前に確認してみてください。
(3) LINEなど、登録できないサービスがある
電話番号認証が必要なアプリやサービスが多々存在しますが、LINEなどのサービスではIP電話の050番号では登録できません。また、電話番号を利用したSMS認証が必要なサービスもありますが、IP電話の050番号では登録できないケースがあります。
(4) 番号の移行(MNP)ができない
携帯番号とは異なり、IP電話で取得した050番号は他社サービスへMNP(モバイルナンバーポータビリティ)することはできません。IP電話サービス会社を乗り換えると番号が変わらざるを得ないので注意が必要です。
ただ、「1.IP電話アプリとは」で触れた 「03plus」というIP電話サービスは、条件付きではありますが、今ままで利用していた電話番号を引継ぎ、さらに他社回線へ移行することが可能となっています。
3.IP電話アプリはこんな方にお勧め
(1) 携帯で通話する頻度が高い
docomo、au、Softbankなど大手キャリアの料金プランに比べ、格安SIMを提供しているMVNO各社の料金プランは文字通り格安になります。
しかし、通話料は20円/30秒と大手キャリアとほぼ変わらないため、通話頻度が高く大手キャリアとの契約時は「かけ放題」を利用していたという方だと、格安SIMでは通話料が非常に高くなってしまい、格安SIMに変えたメリットがあまりないという方も発生します。
例えば仕事で1日平均で10分間の通話をするという人だと、1か月間(20日で換算)の通話料だけで8,000円もかかってしまいます(10分×40円×20日)。
音声通話付きの安いプランだと基本料は大体1,300円前後ですので、通話料と合わせると9,300円です。大手キャリアのスマホを契約している場合、毎月1万円前後を支払っている方が多いと思いますが、その料金の中には端末台の割賦料金も含まれているため、実質的には大手キャリアよりも料金が高くなってしまいます。
そのため、格安SIMで通話頻度が高い方だと「通話料半額アプリ」 や「かけ放題サービス」を利用していると思いますが、IP電話アプリの通話料は携帯電話の通話料よりも安いため、「IP電話アプリ」でもう一つ番号を取得し、IP電話アプリから発信することで通話料を抑えるという方法もあります。
(2) お店用、仕事用など携帯番号とは別の電話番号が欲しい
仕事でプライベートの携帯電話番号をWebサイトや名刺に記載するのは抵抗がありますよね。そんなときにIP電話アプリで仕事用の電話番号を取得すれば、コストも安く抑えられますし、携帯番号に仕事宇の電話がかかってくるということを回避することが可能になります。
しかもスマホアプリで利用できるから、どこにいても発着信ができ、転送電話などのサービスを利用しなくて済みます。
(3) データ通信専用の格安SIMを使っているが電話番号が欲しい
最近は「電話はLINEで済ます」というケースが非常に増え、1か月の間で090/080番号での発着信回数が0回と、全く電話をしなくなったという方が増えています。そこで、格安SIMでデータ通信専用プランだけを契約してしないという方も多いのではないでしょうか。
音声通話付きのSIMを利用すると、一切発着信を行わなくてもそれだけで毎月700円はかかります。データ通信専用プランを契約している方でも緊急の時やもしもの時のために「やはり電話番号は一つ持っておきたい」と考えるかもしれませんが、ほぼ使わない電話番号に毎月700円もかけるのはもったいないですよね。
そんな時でも、MVNOの音声通話プランを利用するのではなく、IP電話アプリを利用することで電話番号を手軽に取得でき、ランニングコストを抑えることが可能になります。
4.サービス比較
代表的なIP電話アプリの基本料と通話料を記載してみます。サービスの詳細についてもっと詳しく知りたい方は各サービスへのリンクから確認してみてください。
(1)050 plus https://www.ntt.com/personal/services/phone/ip/050plus.html
基本料:300円/月
通話料:[固定電話宛] 8円/3分 [携帯電話宛] 16円/1分
(2) FUSION IP-Phone SMART https://ip-phone-smart.jp/
基本料:無料
通話料:[固定電話宛] 8円/30秒 [携帯電話宛] 8円/30秒
(3) LaLa Call(ララコール) http://lalacall.jp/
基本料:100円/月
通話料:[固定電話宛] 8円/3分 [携帯電話宛] 8円/30秒
(4) 050Call http://www.050call.net/
基本料:無料
通話料:[固定電話宛] 8円/3分 [携帯電話宛] 15円/1分
(5) G-Call050 https://www.g-call.com/050/
基本料:280円/月
通話料:[固定電話宛] 8円/3分 [携帯電話宛] 15円/1分